2024年1月14日 (日)

初めて触れる弦楽器の音色に感動!

10年ほど前お手伝いした、ヴァイオリニストの五嶋みどりさんが、アジアの子どもたちに音楽に触れる機会を作りたいと活動をしているミュージック・シェアリング  から、再度ラオスで活動をおこないたいと連絡があり、2023年末にヴィエンチャン県の中等学校での受け入れアレンジをおこないました。
数年前に当会が設立したヴィエンチャン県のサカ中等学校とヒンフープの中等学校の図書館を会場に、低学年対象、高学年対象と数回ずつ演奏を披露してくれました。それぞれ、図書館には一杯の生徒たち。一部はタイルの床にゴザを敷いての鑑賞でした。
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いわゆる西欧クラッシック音楽には触れたことがない生徒たち。ヴァイオリン、ビオラ、チェロの弦の柔らかく優しく、そして強い音色に、本当におどろき、興味を持ったようで、目を輝かせていました。Edit-dsc08386Edit-dsc08411
とりわけ素晴らしかったのは、五嶋さんをはじめ若者3名のメンバーたちは、美しい響きを体で感じることができるよう、生徒にそれぞれの楽器に手を添えさせ弾いてくれました。Edit-dsc08435 Edit-dsc07419Edit-dsc07431Edit-dsc07434
生徒たちは初めて出会う世界に最初は緊張し、そしてビックリしていたものの、美しい音の流れに、次第に音楽に入り込み、好奇心に満ちた生き生きとした表情に変わっていきました。
このような音楽との出会いが生徒たちにとり、新しい外の世界への関心になってくれたことでしょう。
【報告:野口朝夫】

2023年11月 7日 (火)

図書室ができるまでの道のり

ラオス事務所では、先週から今週にかけて、4か所の学校で図書室の整備の真っ最中。
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今回の学校へ行く道は、普段から凸凹なのですが、数日前に降った雨で、車が通れない状態に。
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急遽予定を変更して、地元に住む学校の先生に車を出してもらいましたが、その車も道のぬかるみにはまり動けなくなり、トラクターに牽引してもらってやっと脱出という状態でした。
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まだまだインフラが整っていない地域が多いラオスでは、図書室を開設するための本棚や本を届けるだけでも一苦労です。まさに、”長い道のり”を経て、本を届け、図書室の運営方法を伝え、ようやく子どもたちが図書を読む環境ができあがります。
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週末、滞在先のホテルで図書登録作業をして、翌日の準備をするスタッフ達。
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日本とラオスのたくさんの皆さんのサポートがあり、現場の頑張りがあり、図書室は出来上がっています。

※ラオス事務所スタッフからの報告をもとに記事を作成しました(赤井)

2023年9月23日 (土)

インターンラオス滞在記② ラオスのローカル道路交通事情

ラオス事務所でインターン中の矢野です。
今日は、ラオスのローカル道路交通事情についてご紹介します。

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(サークル交差点)

ラオスでの移動手段と言ったら、旅行者にとってはトゥクトゥクのイメージが強いかもしれませんが、地元民は主にバイクか車で移動します。ラオスは左ハンドル右側通行で、サークル交差点が点在します。

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(ラオスの道路は穴だらけ)

彼らは恐ろしいことに、ノーヘルメット、半袖半ズボン、つっかけサンダルでバイクを運転します。日焼けが嫌という理由で女性は運転前に長袖を羽織ることが多いですが、男性は肌を露出したままの人が多いです。ところが、空気が汚いのが気になるということで、マスクは着用する人が多いのが面白いですね。そのような状態のラオスではやはり交通事故が多く、どこまで本当かわかりませんがラオス人の死亡原因の一番なのではと言う人もいました。

ちなみに、ヘルメットをかぶらずに2人乗りをしたり、免許を持っていないときに警察に見つかると、さすがのラオスでも罰金を科せられます(「免許を持っていない」というのは日本人のような一時的な免許不携帯ではなく、そもそも取得していない人が多いです)。警察とのやり取りでもうまくやれば見逃してくれるとかどうとか、、、。ただ時間もお金もとられてしまうのが嫌なので、ラオス人はどの道に警察がいるかを熟知しており、危ういときは上手にその道を避けます。(ときどきヘルメットなしで二人乗りしている警察も見かけますよ)

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(タラートサオバスターミナル)

今回ラオスで初めてバスに乗りました。あまり本数は多くないのですが、うまく使えば格安で移動することができます。値段は路線により変わるのですが、例えばタラートサオからパトゥーサイまで6,000kipで行くことができました。

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(Lao-BusNavi)
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 (バスの時刻表)

そしてなんと、バスの現在地がこちらからリアルタイムで確認できます。ただし時刻表はラオス人もよくわかっていなかったのでバス停で確認してみてください。もしなかなかバスが来なくても、バス停で待っていれば循環している乗り合いトラックがきたりします。少し値段は上がりますが。

お隣のベトナムではヘルメット着用が徹底されていろいろなデザインのヘルメットが町中で売っていたり、タイでは鉄道網が発展していたりというのを見ると、今後ラオスの交通がどのように変化していくのか楽しみです。

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(トラックの荷台に乗る人たち)  

インターン矢野みなみ

2023年9月19日 (火)

インターンラオス滞在記① ALCのラオス事務所を紹介

こんにちはインターンの矢野です。

このたび東京事務所を飛び出し、9月の約1か月間ラオス事務所にお世話になります。
ラオス現地の様子についてみなさんにお届けできればと思います。
まずはALCのラオス事務所を紹介します。
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(ラオス事務所図書室)

事務所は住宅地の中、中学校のすぐ近くにあり、玄関は階段を上がった2階にあります。3階建てで、3階は事務所と書庫、2階は図書室になっており、昼休みや放課後に子どもたちがやってきます。図書室は冷房が効いているので、それを目当てにやってくる子もいるそうです。残念ながらコロナ以降学校が子どもたちを外に出さないようにしているので、今はごく少数の子しか利用していません。

図書室全体がかわいらしく飾りつけされており、大きめの児童館の図書室のような印象を受けました。靴を脱いで入るのと、床が木なのもあり、机も置いてありますが、本棚の前に座り込んで本を読みたくなります。

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(ラオス語の絵本コーナー)
入ってすぐ左手がラオス語の絵本コーナーです。ALCで出版したものも並んでいます。

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(翻訳絵本のコーナー)
右側には、ボランティアの皆さんが翻訳シールを貼ってくださった翻訳絵本の入った棚があります。この棚にはラオス語に翻訳されていない日本語の絵本も入っており、これは日本語の読める利用者のためだけではなく、絵本作家をめざす人の参考になればと資料という意味もあるそうです。
他には、ラオスの学校で使われている教科書、タイ語の本、英語やフランス語の本も置いてあります。

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(本のカテゴリー一覧)
本は言語とカテゴリーで色分けして収納されています。ありがたいことに蔵書はどんどん増えていて、管理の見直しも必要になってくるかもしれないほどだそうです。たしかに、あいている書架はもうほとんどありません。今後どのような本を増やし、そしてどのように管理収納していくのか考える必要があります。子どもたちがここでたくさんの素敵な本と出合えるといいですね。

ビエンチャンにいらした際はぜひALCラオス事務所にお立ち寄りいただき、みなさまからの支援がどのような形になっているのかをぜひお確かめください。

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営業時間:平日 9:00 - 17:00

【インターン矢野みなみ】

2023年5月21日 (日)

はじめてのピーマイinラオス

インターンの矢野です。
今年の4月14日から16日はピーマイラオ(ラオス正月)ということで、この期間に合わせて遊びに行ってきました。今回はビエンチャンとルアンパバーンでそれぞれ3日間過ごしました。

ビエンチャンで過ごした11日から13日はまだピーマイではないものの、お店はお休みに入っているところもあり、店の前や家の前にテーブルと椅子を出して宴会をしているところが多くありました。ローカルなお店にご飯を食べに行くと、営業していてもメニューが1種類しかなかったりとお休みモードでした。

14日の夕方の飛行機でルアンパバーンに向か う予定でしたので、午前中はお寺に行きました。水の入ったバケツを買って、仏像に、いい匂いのする油を入れたマリーゴールドの花びらを浮かべた水をかけていきます。これもピーマイ特有のイベントです。そっとかけ流すようにするのかと想像していましたが、思ったよりもパシャパシャと水をかけていきます。
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お寺からの帰りに車で走っていると、道路沿いの家の前で待ち受けていた子どもたちにフロントガラスに水をかけられました。いよいよピーマイという感じです。

ルアンパバーンで過ごした14-16日の3日間はピーマイの本番で、こういった水かけがいたるところで行われていました。バケツ、水鉄砲、ホースで容赦なくかけてきます。トゥクトゥクに乗っていれば、道で待ち構えていた人たちや、すれ違いのトラックの上から水を柵の中に勢いよくかけられ、荷物がびしょびしょになってしまった人もいました。ピーマイ期間、大切な荷物のある移動は車が必須です。警察やお坊さんもびしょぬれで歩いていました。
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ただ、かけ方にもマナー的なものはあるらしく、頭から水をかけられたり、顔にかかることはありませんでした。バイクや車にかけるときも、危ないので一度スピードを落とさせてから思いっきり水をかけていました。
また、水をかけるほかにも、ベビーパウダーを頬に(ときには頭にも)つけたり、口紅で頬に模様を描いてくる人もいました。歩いていると、知らない人たちが泡のゾーンにも連れて行ってくれました。
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ルアンパバーン名物のピーマイパレードも見ました。各民族の衣装を着た団体が順におパフォーマンスをしながら歩いてきたり、子どもたちの集団もあったり。なんといっても水牛のみこしに乗ったミスルアンパバーンが目玉です。国中が盛り上がるこの期間にラオスに行くことができてよかったです。
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水かけはありませんが、ラオスをまるごと楽しむイベント「ラオスフェスティバル2023」が5月27日28日に開催されます。「ラオスのこども」も参加しますので、是非遊びにきてください。

【インターン 矢野みなみ】

2023年5月18日 (木)

はじめてのピーマイ in 東京

はじめまして。ラオスのこども東京事務所でインターンをしている佐々木美咲です。
先月にインターンを始めたばかりの新人ですが、今回初参加した「ピーマイパーティー」についてお話したいと思います。

●ピーマイ(ラオスの正月)
みなさんはラオスの正月がいつか知っていますか?
だいたい4月中旬に3日間かけて行われます。今年は4月14日から18日までがラオスのお正月でした。お正月の前後一週間は学校も仕事もお休みになります。ラオスの正月はピーマイラーオと呼ばれ、水かけ祭りともよばれます。4月は1年の中で最も暑い季節であり、気温も40度近くになります。暑い中みんなで水をかけあう姿はとても楽しそうでいつかは参加してみたいものです。

●ピーマイパーティー
ラオスの一大イベントでもあるピーマイを日本でも祝おうと「ラオスのこども」は毎年4月にピーマイパーティーを行っています。今年は4月23日に行われ、なんと42回目の開催だそうです。

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このピーマイパーティーではラオスの文化を体験することもでき、今年はバーシーの儀式が行われました。バーシーの儀式は、主にラオ族によって行われ、結婚、誕生、就職、出家、歓迎、病気の治癒、葬式など人生の節目で催される伝統儀式です。祈祷師による祝詞の後、主役(例えば結婚式なら新郎新婦)に続いて参加者同士も手首に木綿糸を結び付けていきます。32個あると言われている魂を閉じ込めるという意味があり、健康や幸せ、繁栄などを祈りながらお互いに結び合うのです。
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また、ピーマイパーティーではラオス料理もふるまわれ、毎年参加者においしいと好評です。今年はコロナ後初のビュッフェ形式で、料理の数も例年より多かったようです。日本ではなかなか食べられないカオソーイという麺料理もありました。私はこのカオソーイが大好きなのでとても興奮してしまいました!!!
Dsc09952-3カオソーイのたれ(麺にかける唐辛子味噌)

Dsc09949-3家庭料理の定番 牛肉の煮込み

Dsc09947-2沖縄産パパイヤを使ったサラダ
ラオスにはラープという伝統的なサラダがあり、今回はラープ・グアという牛のラープがふるまわれました。私の体感では一番人気だったのではないか…と思っています。ピンカイというラオス風焼き鳥もあり、こちらもすぐにお皿から消えていきました。

Dsc09955-3_20230518185501ラープ(ハーブたっぷりの牛肉サラダ)

Dsc09953-4こちらも大人気のラオス産川のり

日本のビールやビアラオというラオスのビールを片手にお食事をしながら歓談するみなさんの様子は本当に楽しそうで、間違いなく会場全体が活気にあふれていました。
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会場内ではラオスの小物や本などの物販・展示も行われました。ラオスの小物は刺繍が施されるなど細部にこだわって作られており、とてもかわいいのです。また、初めてラオス語の本を見ましたが、ラオスの文化が反映されていてとても面白そうでした。日本語からラオス語に翻訳された本もあり、驚きました。

●感想
今回のピーマイパーティーにはおよそ100人を超える方が出席され、たくさんのボランティアの方もいらっしゃいました。私もインターン生として前日と当日に一緒に準備させていただきましたが、何をしたらよいか戸惑いましたが、ボランティアの方の優しいサポートや素晴らしい連携のおかげでパーティーを無事終えることができました。頭を柔軟にして臨機応変に動くこと、そして周りの方と意思疎通を図り、協力し合うことの大事さを実感し、これからの自身の成長へとつなげたいと思いました。また、私は大学でラオス語を専攻しているのですが、1学年10人ほどしかいません。ラオスと関わりのある方とお話しする機会は大学を除いてはあまりなく、今回のパーティーでは様々なラオスに関するお話が聞けてとても楽しかったです。来年度以降のピーマイパーティーにも関わっていきたいです。

【インターン 佐々木美咲】

 

2022年11月25日 (金)

ラオスより図書館研修報告

ラオス事務所スタッフからのプロジェクトの実施報告を、東京事務所インターンが和訳しました。研修の報告をご覧下さい。
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【図書館の業務向上のための図書館応用研修(図書館サイン・図書館展示)】
2022年10月18~19日に、ラオスのこども(ALC)は、ヴィエンチャン都サイタニ―郡ノーンサアート中等学校で研修を開催しました。
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都教育スポーツ局普通科長であるセーンスニー氏をはじめ、教育スポーツ省1名、サイタニ―郡教育スポーツ事務所1名、ナーサーイトン郡教育スポーツ事務所1名、ノーンサアート中等学校校長・教頭、そしてノーンサアート中等学校・ポーントーン中等学校・ナーカー中等学校・ナーサーイトン中等学校・ポーサイ中等学校・ナーサーイトン小学校の図書館担当の教員が参加、またノーンサアート中等学校とポーントーン中等学校からは図書館ボランティア生徒も参加しました。
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<参加者とラオス事務所スタッフ全員で記念撮影>

利用者が必要な本を素早く見つけることができるようなマーク(シンボル)のデザインの方法を知ってもらうことが本研修の目的です。
また、図書館での本の展示は、利用者の関心を引き付ける宣伝であり、また、教師と生徒が各教科の授業や、本から得ることのできる一般的な知識に関連したタイトルを図書館の中から利用できるようにし、図書館利用者の関心を築き上げるための活動でもあります。

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<チームで考えた図書館サインの掲示場所や内容を発表する様子>

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<私たちの学校の図書館サインはこれよ>

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<テーマに合わせた図書紹介の展示をグループで考えます>

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<図書館ボランティアの生徒も参加し、一緒に展示を作りました>

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<本を読みたくなるような素敵な展示が出来上がりました>

この研修では、ラオスのこども(ALC)ラオス事務所駐在の渡邉淳子さんが講師となり説明が行われました。その説明の後に、様々な手順を理解するために実践を行い、参加者は自分たちの手で図書館や教育において利用することができました。

【和訳:東京事務所インターン松田羽純】

 

2022年10月25日 (火)

ラオス旅行ブログ 【ルアンパバーン編】

 ラオス旅行ブログ第2弾は1995年にラオスで初めての世界遺産として登録されたルアンパバーンの町についてです。かつて首都であったこの地は伝統的なラオスを感じさせ、ラオス人に「ルアンパバーンに行かずしてラオスに行ったとは言えない」とまで言わせるすてきな町です。時間帯別にルアンパバーンの見どころを紹介します。

 ・朝(托鉢・朝市)

 ルアンパバーンの朝といえば托鉢。6時半ごろたくさんのお坊さんが列になって歩いてきます。行列がみられればそれで満足という気持ちでいたのですが、「こっちこっち!」とよばれるままに托鉢セットの前に座り体験することに。いったい代金がいくたかかるのか見当もつきませんでしたが、喜捨の間に小学生くらいの娘さんが写真を撮ってくれるというのでこれもいい経験ということで。容器が空になるとご飯とお菓子をどんどん追加してくれます。使った分だけ料金がかかるのですが、この日は地元の人も笑うほどお坊さんが多く、私はたしか3000円もとられました、、、 その後、他県から来たらしいラオス人観光客も同様のスタイルで喜捨しているのをみましたが、彼らも同じくらい払っているのでしょうか。高すぎましたがそれも含めて貴重な体験だったのでよしとします!

 そのまま朝市へ。朝市では野菜、くだもの、香辛料、肉、魚、カエルなどが売っていました。かなり素材そのままの形で売っているので苦手な人は朝からきついかもしれません、がとても興味深かったです。朝ごはんは宿で食べる予定だったので私たちはおやつとお土産にカイペーン(味付き川苔)とバナナチップを購入しました。
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・昼(ワットシェントーン・クワンシーの滝)

 1560年、ランサーン王朝時代に建てられたワットシェントーンはラオスの寺院の中で最高級の美しさを誇るとされています。本堂は地面に届きそうな緩やかなカーブが三層になった「ルアンパバーン様式」の屋根が特徴的です。タイルの壁画もとてもきれいでした。
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 そしてルアンパバーンといえばクワンシーの滝も有名です。滝にたどり着くまでの道がすでに楽しく、日本では見ることのない、熱帯特有の大きな葉の植物ばかりが生い茂って気分はちょっとした探検です。あの葉っぱは?あの花はなに?とみんなでGoogleレンズで調べながら進んで行きました。やっと滝にたどり着くと圧巻。特に私が行った8月は雨季だったため水量がものすごかったです。滝の前を横切るように橋がかかっているのですが、少しの間そこに立っているだけで水しぶきがかかり、シャツの色が変わってしまいました。今回は雨季で水が多く濁っていましたが、乾季は水が透き通っていて、水着を着て川に入る人も多いみたいです。車に乗って少し移動すると象牧場や水牛牧場もあり、象にのったり、水牛のミルクで作ったスイーツを食べたりと楽しめます。
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・夕方~夜(プーシーの丘・ナイトマーケット)

 夕焼けを見に、町を一望できるプーシーの丘に登りました。頂上までの階段は328段あったようです。地元の人も大勢来ていました。夕焼けももちろん綺麗だったのですが、登る途中で上から見える町並みと虹がとても幻想的でした。
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 ちょうど暗くなりはじめ、プーシーの丘を降りたところにナイトマーケットがあります。客引きなどはなく、夜ご飯をたべたり携帯をいじったりしながら店番をして、お客さんが近づくといろいろと引っ張り出してき見せてくれます。たくさんの布に声が吸収されているのもあるのか、静かな空間で素敵なものを見ているのは、博物館や美術館、あるいは図書館にいるような気分でした。お土産用の服や小物はここで手に入ります。

 ワットシェントーンが美しいのはもちろん、豊かな自然と揃えられた色調の街並みが作り出す景色がとても綺麗で、食べ物がとにかくおいしかったです(食べ物にはずれがないのはラオス中どこでもかもしれませんが)。長年ラオスに関わっているけれどルアンパバーンは行ったことがないというみなさん、ぜひ訪れてみてくださいね。

 【東京事務所インターン:矢野みなみ】

2022年10月18日 (火)

ラオス旅行ブログ【ラオス高速鉄道編】

はじめまして。ラオスのこども東京事務所でインターンをしている矢野みなみです。

大学でラオス語を専攻して4年目、今年8月にはじめてラオスにいってきました。ラオス語専攻の友人たちと4人で、タイのバンコク→ラオスのルアンパバーン→ビエンチャンという10日間の旅行です。ラオス国内、ルアンパバーンからビエンチャンの移動は202112月に開通した中国ラオス高速鉄道に乗りました。今回はラオスというよりも、鉄道について書かせていただきます。

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<ルアンパバーン駅>

■予約
中国ラオス高速鉄道は中国雲南省との国境に接するラオスのボーテンから、ラオスの首都ビエンチャンへと南北に伸びています。ルアンパバーン-ビエンチャン間は飛行機に乗ると45分約1万円、高速鉄道では2時間弱を約2000円(二等席の場合)です。飛行機のゆれが苦手な私のような学生にとってはとてもありがたいです。
開通直後は大人気でなかなかチケットが取れなかったと聞いていたので、ネットで事前に予約していきました。ルアンパバーン発の場合、なんとチケットをホテルまで届けてくれとても便利でした。

■いよいよ駅へ
定刻通りに出発すると聞いていたので余裕を持って駅へ。土砂降りの中トゥクトゥクに乗りました。チケットを見せて荷物はX線検査へ。荷物に入っていたスプレー缶を確認されました。駅構内はとても広くてきれいでした。荷物検査も待合所もなんだか空港のような印象です。 2_20221018115201
<駅構内>

■いざ出発?
さて、いよいよ乗車!したかったのですが私たちが乗る電車は雨のためかなんと1時間40分遅れて到着。駅や車内の表示、アナウンスはラオス語、中国語、英語の3か国語でした。
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<3カ国語の表示と電車>

車内はとてもきれいで、私たちが買った方法では座席指定はできなかったのですが4人で横に並べてくれていました。景色は山山山。まるで中国の水墨画を見ているようでした。乗っている間、電波はほぼ通じませんでしたので音楽や映画をダウンロードしてから乗ることをおすすめします。発車してからも、おそらく雨の影響で「高速」とは言いがたいスピードで走行しており、結局2時間遅れでの到着となりました。電車の到着予定は16時でしたが「18時になります」とアナウンスが入った時には、あまりの遅延に同じ号車にいたみなさん思わず笑ってしまっていました。乗客は中国からの観光客やラオスの国内旅行客が多く、タイからの観光客もちらほらという印象でした。

 中国ラオス高速鉄道は長く愛される交通機関になるのか、中国との人と物の移動が増えることが今後どのような影響をもたらすのか、気になるところです。

【東京事務所インターン:矢野みなみ】

2022年8月13日 (土)

こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界

<今日は森理事からのレポートをお届けします>

「こぐまちゃん」シリーズなどでおなじみのわかやまけんさんの世界をじっくり味わってきました。

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世田谷美術館で開催中

●紙芝居でデビュー、そして絵本、さらに詩集
わかやまさんといえば「絵本」と思っていましたが、デビュー作は『クリスマスおめでとう』(1957年 童心社)という紙芝居でした。その後、多彩な絵本作品を手がけるとともに、詩への関心も高く、高田敏子が主催する野火の会の詩誌『野火』にイラストを描き、わかやまさん自身も詩集を出したのでした。
また、大泉に地域図書館をつくる会の代表を務め、作品づくりにとどまらず、絵本を読む場、出会う場づくりに力を注いだことがわかります。
「ラオスのこども」がラオスで行った絵本づくりセミナーの講師をわかやまさんにお願いしたのが1995年でした。「子どもが初めて出会う絵本」というテーマでのお話、そしてセミナー会場の庭にある大木を見上げて「大きな木があることは豊かな文化があることです」と語っていたことが思い出されました。

●色の秘密
「こぐまちゃん」が生まれたのは1970年、「日本の子どもたちが初めて出会う絵本」をつくろうと、わかやまけん、わだよしおみ(劇作家、絵本作家)、森比佐志(元は歌人、『はらぺこあおむし』の翻訳も)、こぐま社の佐藤英和社長の4人で想いを語り合い、子どもの遊びを自分たちでやってみたりして、当時2歳のわかやまさんのお子さんを重ねながら誕生しました。
シリーズで子どもたちに一番人気なのが『しろくまちゃんのほっとけーき』。ホットケーキを食べる場面が大きく展示されていました。
「なにで色ぬったの? あんなにきれいにぬれないでしょ?」
と、その絵の前に立っていた幼稚園児くらい女の子が、おかあさんに聞いていました。
まさにその展示は、色の「秘密」を解き明かすものでした。一般的なカラー印刷は青・赤・黄・黒の4つのインクを掛け合わせて色合いを再現しますが、それでは求める色が出ないとき、「特色」を使います。わかやまさんはこのシリーズで6色(スミ・アイ・グレー・ミドリ・オレンジ・キイロ)の特色を使い、1枚の絵につき6枚の特色原画を描き分けていたから「あんなにきれいにぬれた」のでした。リトグラフの説明の動画もあり、色をいくつも重ねてホットケーキの茶色になっていくのがわかりました。

●子どもたちの声に応えて絵を変更
また、わかやまさんのこだわりの一つが「純絵本」でした。
以前雑誌で、別の作家が「じゃあ、ぼくらがつくってるのは不純絵本ってことか(笑)」と言っているのを読みましたが、わかやまさんが提唱する純絵本とは、言葉が主となるのではなく、絵の力でおはなしを伝える絵本です。子どもたちは、おとなたちの想像を超えて絵を読んでいるのです。
『しろくまちゃんのほっとけーき』は、ホットケーキがだんだん焼けていく様子を、フライパンを12個描いて見せているページがあります。11個めで焼き上がり、12個めは空のフライパン。「あぶらを ひいて」という言葉を添え、もう1枚、焼くための絵でした。
が、子どもたちは、
「やっとやけて、たべようとおもったら、フライパンからきえちゃった!」
と残念がったのでした。
今、本屋さんに並んでいる『しろくまちゃんのほっとけーき』は、「はい できあがり」と、お皿にホットケーキが乗った絵になっています。

と、いろいろ発見したり、深くうなづいたり、「ラオスのこども」がめざしていることにヒントをくれるわかやまさんの作品展でした。9月4日まで開催中です(月曜休館)。→詳しくはコチラ

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(グッズ買いました)

●『文字絵本』『数字絵本』
わかやまさんは2015年に亡くなりました。わかやまさんは「1995年3月の絵本ゼミはラオスの近代絵本の日として記憶されるだろう」(「ラオスの子供に絵本を送る会通信」No.6_1995.11)と綴っています。このときの作品は『文字絵本』『数字絵本』として出版し、今では8万部がラオス全国の学校図書室に置かれ、子どもたちに愛されています。そしてこのほど、約11,000部を増刷しました。日本で和訳付きの絵本も販売中です。どうぞ、お求めください。→ご購入はコチラから

【森 透/ラオスのこども 理事】

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