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2010年12月21日 (火)

五嶋みどりさんカルテット、ラオスに到着!

Daras_lecture_for_icep_20dec10_220日、バイオリニストの五嶋みどりさん率いる弦楽カルテットの皆さんが、ラオスに到着しました。

(NPO法人)ミュージック・シェアリングのインターナショナル・コミュニティー・エンゲージメント・プログラム(ICEP)では、アジアの国々を訪れ、学校・子ども病院・児童施設などに生演奏を届ける活動をしています。これまで、ベトナム、カンボジア、インドネシア、モンゴルを訪問され、今年はラオス。当会は、学校や子どもセンターなど7ヵ所で行う訪問コンサートのお手伝いをしています。
ラオス到着の初日には、現地代表のダラーが、ラオスの歴史や教育についてカルテットの皆さんにお話をしました。
各地で子ども達がはじめてのクラシック音楽の生演奏にどんな反応をするのか、とても楽しみです。(ラオス事務所 秋元波)

唄う法学の娘

Karaoke_law_school_2ラオス人は歌謡曲が大好き。ラオス人宅からは、大音量でタイやラオスの歌謡曲が流れる。四方から大音量で色々な歌謡曲が流れてくると、結構耐え難い。
ゲストハウスのない田舎の村の学校を訪問した際、学校の先生の家に泊まらせてもらった。朝、起きるや否や先生は大音量で歌謡曲をかけた。VCDなので映像もあるのだが、なぜか制服を着ている学生らしき歌手ばかりが出てくるし、教室で講義を受けている映像が流れたりする。歌詞に、「サ~オ・ゴッマイ(法律の娘)」というのが登場したり、いつもの歌謡曲とは様子が違う。

Karaoke_law_school先生によると、中部と北部に新しい法律家養成学校が開設されたが、建設の途中で資金が枯渇し、やむなく借金をして開校に漕ぎ着けたらしい。そこで、入学してきた学生を歌い手とし、VCDを発売し借金返済のための資金を集めているそうだ。教育局の職員や教員は、15,000キープ(2米ドル)で購入させられたそう。
賭け事(違法だが、皆大好き)に明け暮れ、家を追われて一文無しになってしまう人についての歌など、すべて法律や法律家養成学校にまつわる歌が収録されている。建設の途中で資金が尽きたという行き当たりばったりなところは相変わらずだが、歌好きのラオス人の心を掴んでいるし、大衆への法教育に歌をツールにするところとか、学生に歌わせてしまうところとか、無理やり買わされた先生には気の毒だがとてもクリエイティブな借金返済の方法ではないか。

私がラオスに着任してからの1年でも私達の活動にも関わる2つの新しい法律が作られ(出版に関する法律と公共図書館に関わる法律)、ラオスでは着々と法整備が進んでいる。法律家を養成するのことも急務と伺える。今は、村長やその村で信頼されている年長者が村や家庭内のいざこざの相談を受け調停をしているが、将来はこの役割も法律家養成学校を卒業したサオ・ゴッマイ(法律の娘)やバオ・ゴッマイ(法律のお兄さん)に移行されていくのだろう。(ラオス事務所 秋元波)

自然が為にラオスは貧しい

Making_straw_roof_vtp自然が為に僕らは貧しい。
ボーケオ県の最貧郡に位置付けられている郡の教育局長はまじめな顔で言った。
このおじさん何言ってるんだ?なにか逆説的な表現をしようとしているのかと思ったが、ストレートにそう表現したかったらしい。私が無反応でいると「ラオスには、近くの森に行けば食べるものがあるでしょう、野生動物がいたり、食べられる野草を見つけられる。この自然が故に僕らは、食べていけてしまう。だから我々は発展しない、貧しいままなのだ」ラオラオ(もち米から作る酒)が入ったおじさんの語気が強まる。

Big_fish_in_muang_nan夕食の席には、さっき学校の先生夫婦が絞めたアヒルのラープ(肉と香草を和えたサラダ)、アヒルの内蔵のスープが並んでいた。スープ皿のとなりのつる系の葉っぱをとって「あのねぇ、普通の日本人は、この葉っぱがどの季節に、山のどこで採れて、どんな効用があるか知らないですよ。ラオスでは子どもでも野草がどこにあるか知ってる。そういう見方をしたら日本の方が劣ってて、ラオスの人の方がよっぽど優れているじゃないですか」私も力説する。

自然資源を利用した水力発電や鉱山開発で、ラオスの2009年の経済成長率は7%を超えた。2015年までにミレニアム開発目標を達成するため、2020年までに後発開発国のカテゴリーを脱出するという目標を掲げている。中央政府の官僚から、地方政府の平職員まで、今までのままではいけないのだ、変わらなければいけないのだ、と言っている。我が国もパッタナー(開発)し、諸外国に追い着くのだ、と。「パッタナー」はみんなの合言葉。

一方、高度経済成長を経て、日本各地の里山が過疎となり、荒廃しきってから、その価値を顧み、復興を試み、今や日本のSATOYAMAを自然と人の持続可能な共生のモデルとして世界に勧めようとしている。

森の豊かさを貧しさの原因と位置付けるラオスと、荒廃しきった里山を復興するために試行錯誤をする日本が、同じ時を刻んでいる。(ラオス事務所 秋元波)

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