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2011年2月28日 (月)

家族で図書館へ!

 さぁて、家族何人でラオスのこども図書館に来てくれたでしょう?

How_many_are_riding

正解は・・・

The_answer_is

5人!

また来てね~!(ラオス事務所 秋元波)

お膝元図書室の再生

Helping_at_alc_2

最近、お昼休みにラオスのこども(ALC)図書館の常連客の姿を見かけません。図書館の貸出し作業をいつも手伝ってくれる6~7名ほどのボランティアの中学生は、図書館の目と鼻の先の距離にある中学高校の子ども達です。この中学高校にも当会が開設した図書室があります。2週間前に、活用状況を見に行ったのですが、悲しいことにに長いこと使われていない様子でした。本の貸出しは何年もしていない様子で、貸出しカードが貼られていない本ばかりです。貸出しを再開しようにも、その前の準備作業が必要です。そこで、我が図書館のボランティアたちに、まずは自分達の学校図書室の改善作業を命じたのです。そのため、子どもたちは、お昼休み、空き時間、放課後に、自分達の学校の図書室に通い、蔵書登録や、貸出しカードの貼り付けをやっているので我が図書館からは足が遠のいているのです。

日本の支援者のご支援を受け、当会では全国200校以上の学校に図書室を開設しました。一番古い図書室は、15年ほど前に開設されています。昨年度から、新しい図書室を開設すると同時に、過去に開設した図書室の巡回訪問を精力的に行っています。活動が停滞してしまっている学校にはそれぞれの学校の理由があります。
・図書室業務に関する指導を受けた先生が異動し、残っている先生は図書室の運営について理解していない。
・本の紛失を恐れ、貸出しを許可しない。
・生徒数が増えたので、図書室を教室にして、教員室の一角に図書コーナーを置いた。しかし、教員室には子どもたちは遠慮があり気軽に足を踏み入れられない、などなど。

2009年度には、過去に開設した図書室80ヶ所を訪問し、活用状況を確認し、それぞれの学校の課題解決に当たりました。中には、当所のスタッフ、教員、生徒達総出で雑巾がけをしなくてはいけない、ほこりまみれの図書室もありましたが、私の感触では先生にやる気がないから活動をしていないと言うよりも、やり方がわからないので放って置く他なかった、と言うケースが多かったように思います。現に、去年大掃除をした学校図書室の先生から、「私達の図書室見違えるようになったから見に来て欲しい」と電話でリクエストをもらうことがあります。

しかし、実に協力的なボランティアを我が図書館に送り出している目の前の学校の先生は、やり方がわからないだけではなく、図書室運営に関心がないように見受けられました。この学校の全校生徒は1,300人で、我が図書館に来ているのはそのほんの一部の子ども達です。もし学校内の図書室が開放されるようになれば利用する子ども達はいるはずです。
Talking_to_teachers_2
先生方は、「読書が好きな子なんてうちの学校にはいないわよ(先生は何も知らない、、、)」と言います。スタッフのスックパンサーも初めの内は熱心に先生に語りかけていましたが、反応があまりに悪いため、作戦変更。我が図書館のボランティアを中心に生徒に集まってもらい、図書室を甦らせるための作業について話し合いました。先生達は蚊帳の外。

Img_8279_2

「お昼休みにここで作業して、ALC図書館に行けなくなるやだー」
「えー、お昼ご飯は、
ALCで食べたい」
「私は
ALC図書館を利用するからこの図書室が使えなくてもいい」などとわからず屋ながら、かわいいことを言ってくれます。
「この図書室は
ALCには置いていない本も何冊もあるんだよ。ALC図書館にもこの学校にない本がある。どっちも利用したら良いのだから、近くに
図書館があるからと言ってこの図書室に価値がないわけではないんだよ」と説得します。

それ以降、お昼休みには当所からも毎日1人は出張し、子ども達と一緒に貸し出しカードの貼り付けなどの作業をしています。先生は1人も現れません。先生に図書室運営の必要性を感じてもらうには、生徒が図書室を使いたがっているということを知ってもらうことが必要でしょう。また、少々トップダウンなやり方ではありますが、ヴィエンチャン都教育局の読書推進担当職員に訪問してもらい、校長先生を含めた教員に図書活動の重要性について話をしてもらうことにもしました(私たちは非政府組織で、学校の監督機関ではないので、学校としては運営に関し当所の指示を聞かなくてはいけない立場ではない)。

ラオスの隅々まで回り図書室を新しく開設したり、活性化を行っているのに、目の前の学校図書室が開かずの間となっていたのでは、私達の顔も丸つぶれ。我らの味方、ボランティアキッズと、図書室を甦らせるために日々作業をしています。私も、彼女達の顔をしばらく見ないと調子が出ないので「会いに来たよ~」とたまに邪魔しに行っています。(ラオス事務所 秋元波)

2011年2月24日 (木)

ラオス希望の星

Interns
先週から、ラオス国立大学の社会学部社会開発(Social Development)科の5年生(ラオスの大学は5年制)の、アバンくん、サーコンちゃん、ヌアンダムちゃんがラオス事務所にインターンとして来てくれています。期間は2ヶ月の予定。このうちの2人は私達の協力団体である仏教開発プロジェクト(Buddhist Development Project)でボランティアをしているので、これまでにも手伝いに来てくれたこともありました。

Interns1
こちらから募集したのではなく、学生が私達の活動に関心を持って、インターンになりたいと志願してくれました。なんでうちに来たの?と聞くと、「ALC※が好きだから」ですって。嬉しいですねぇ。 社会開発科は6年前に開設された新しい学科で、彼らが2期生です。去年の8月からラオス事務所のスタッフになったカムフーは、この学科が送り出した初めての卒業生で、去年の今頃は同じようにインターンでした。
ヌアンダムちゃんによれば、大学で人気がある学部ベスト3は、1位:医学部、2位:経済学部、3位:教育学部、だそうです。医師は、クリニックを経営したり、私立のクリニックのアルバイトと公立病院の医師を掛け持ちできるので、儲かる職業とされているそう。教員も、昼間は学校の通常授業で教え、夕方は補習クラスや夜間コースで教えるというチョイスがあるため、収入源が豊富と考えられているそう。大学の教育学部の卒業生の多くは、中高の教員、教員養成校の教員、教育行政の職員になり、小学校教員になるのは、教員養成校小学校課程(3年制)を卒業した人たちが多いです。
社会開発科に入ってくるのは、これらの学部に入れなかった生徒、または稀にいるこの学科に関心のある生徒だそう(ヌアンダムちゃん曰く、彼女自身は後者)です。
ラオスの国立大学は、現在ヴィエンチャン、ルアンパバン、チャンパサックの3ヶ所にあり、近年ヴィエンチャンには私立のカレッジが増えてきました。ちなみに全国の小学校は約9,000校(うち小学校5年までの完備している完全校は半分)で、中学高校の合計は1,120校(うち720校は中学校4年生まで)。国立大学に入学できるのは一握りの成績優秀な生徒と、コネクションを持っている生徒です。卒業後の就職のためにはますますコネクションがものを言うようになります。
数日前、大学がインターンとインターンの受入れ先となっている省庁やNGOを集めてオリエンテーションを実施しました。まだ仕事を見つけられていない1期生がたくさんいるそうですが、人材を求めている国際NGOはそのことを知りませんでした。このインターンシップを契機に、大学とラオスで活動するNGOの連携が盛んになるかもしれません。
先日、インターンの3人に、ラオスのこども図書館の貸出しカードを集計してもらい、人気図書ランキングをまとめてもらいました。またの機会に、地道な集計の結果をお伝えします。(ラオス事務所 秋元波)

※ALC:Action with Lao Children 「ラオスのこども」の英語名

2011年2月 9日 (水)

図書館キッズ、小旅行に出る


やっちゃった、、、。

「みんな、ごめん。特別列車、今日じゃなかったんだって。2日前に来て、もうシンガポールに帰っちゃったんだって。」

「え、うそでしょ?」 みんなの表情が一瞬凍った。

Kids_together_on_the_railway

先週の土曜日の朝、シンガポール~バンコク間を走っているイースタン&オリエンタル・エクスプレスが1年に1度ヴィエンチャン郊外のタナレーン駅に到着すると言うので、図書館の18人の小中高生を連れて見に行ったのだ。ラオスで電車が通っているのは、今は(※1)タイ側の国境の街ノンカイとヴィエンチャン郊外を結ぶ部分だけ。メコン川に掛かる友好橋を通るこの電車が開通したのは2009年。他県に行けば電車は通ってないし、ヴィエンチャン子も、日頃タナレーン駅や電車を利用することはまずない。まして、食堂車があり、寝泊りができてしまう豪華列車となれば、さぞ珍しいものだろうと思い、図書館にポスターを貼り「特別列車を見に行く遠足」に参加したい子どもを募ったのだった。本物は見たことはなくても、タイのテレビ番組で電車を見たことはあるし、知らないとワクワクもしないものらしく、なんでわざわざ電車を見に行くの?などと野暮なことを聞いてくる。

「あのね、これはただの電車じゃないんだよ、シンガポールから、マレーシアを通って、タイを通り抜けて、ヴィエンチャンまで来るんだよ(いくつかルートがあるので、ヴィエンチャンに来る列車がシンガポール発なのかは未確認だったが、うそも方便)。年に1度しか来ないんだよ~」と焚きつけてきたのだった。保護者へのお便りを託し、参加許可のサインをもらってきた子どもだけが参加できた。用意は周到だったはずなのに、車の荷台にギュウギュウ詰めになって来たのに、、、。

到着時刻の午前9時ちょうどに駅に着くと、駅は閑散としている。ラオスにはカメラを構えている鉄っちゃんもいないわけか。それにしても静か過ぎないかと不安になり、駅のおばちゃんに尋ねたところ、「あれは、2日前に到着したわよ。綺麗な電車だったわよ~。あの日はにぎやかだったわよ~」と言われたのだった。

穴があったら入りたい。子どもにも、休日なのに運転手になってくれたスラピー(事務局長)のだんなさん(ポーンさん)にも、申し訳なさすぎる、と沈没していると、子ども達は「じゃぁ、シンガポールまで歩こう!」と言って、人影のない線路を歩き始めた。人が消沈しているのをよそに、遊びを見つけ楽しんでいる。

Kids_with_grass

Girl_with_grass

すると、ポーンさんが、30分後にノンカイから普通の電車が来るってさ、と教えてくれた。普通の電車も見たことがないのだから、まぁいいかと待ってみたものの、待てども待てども来ない。すると、いつも図書館でお手伝いをしてくれる気の優しいムーちゃん(ブタちゃん)に「私今日の遠足に来れて、運がいい!って思ったけど、来れなかった子の方が運が良かったんだねぇ」と言われてしまった。嫌味ではない、子どもは正直なのだ。また消沈。

待って、待って、予定時刻より30分以上遅れて2両編成の列車が到着(ちなみに、子ども達がシンガポールへと向かっていた反対側からやってきた)。観光客がドヤドヤっと降りた後、すかさずタイの運転手さんに、子ども達を電車に上がらせても良いですか?と丁寧に訊いてみる。名誉挽回せねば!

Kids_with_thai_driver

すると、快諾してくれ、子ども達が初めての電車の中を駆け回りだした。運転席に座って写真をとったり、テンションが上がってきた。いいぞ、いいぞ。この運転手さん、日本人とたくさんのラオス人キッズの組み合わせに興味を持ったらしく、色々質問をしてくる。秀才ラン君は、図書館で借りたタイ語の本を、僕これ読めるんだよ、と見せてアピールしている。

Girl_at_drivers_seat

運転手さんが、「君たちは、バッサロップ(ラオス人が好きな大勢で踊るステップダンス。タイにはない)を踊れるのか?運転手さんに教えてくれる?」と子ども達に尋ねる。
しまいには、図書館キッズは、サービス良く中学校1年生のペーくんが歌謡曲「シェンクワン(ベトナムに接した北部の県)の娘」を歌い、それに合わせて女の子達はステップを踏み、クルクル回って、踊っていた。
もう皆、目的の豪華列車が見れなかったことは忘れている。

Dancing_kids_2

そして、帰り道にカルチャー・パーク(スワン・ワタナタム)の前で車が停車した時には、一斉に歓声が沸き、またテンション上昇。日本だったら、どうしようもなくさびれた哀しい動物園なのだが、コンクリートの恐竜によじ登り、小さい檻の中のダチョウを「生まれて初めて見た」と言って満面の笑みを浮かべ(さっきの正直な辛口コメントを吐いたムーちゃん)、子ども達は大喜びだった。

子ども達が住んでいる地域から、オートバイでも30分程度の場所にあるが、来たことがある子は数人だけ。お父さんもお母さんも、市場で物売りをしたり、週末に子ども達を遊びに連れて行く余裕などないのかもしれない。

Kids_on_dinosaur

Kids_with_a_bird

図書館に戻ってきてから、「今日はみんなに嘘言っちゃったね、特別列車見れなくてごめんね」と謝ると、おでかけの興奮が冷めないらしく「ボペニャ~ン(気にしないで~)」と、ごきげんな合唱が返ってきたので救われた。

遠足の前日には、本をたくさん読んだ子どもへのご褒美として、黄色と黄緑の図書館カード(※)の子だけが参加できる人形劇鑑賞ツアーを行った。

Going_to_watch_a_theatre_show

夜間だったが、保護者からOKをもらった13人の子どもが参加した。2日連続で劇鑑賞と遠足に参加した子もいて、イベント満載の週末であった。

今度の土曜日はどこに行くの~?と聞かれている。
(ラオス事務所 秋元波)

Group_photo

※1:2011年4月には、ラオス北部の中国との国境の町ボーテンとヴィエンチャンを結ぶ、高速鉄道の建設が開始する予定。建設は5年以内に完了すると言われている。

:貸出記録がいっぱいになると、新しいカードに替わる。最初の1枚目は水色、2枚目は黄色、3枚目は黄緑。虹色の7色を用意する予定。

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