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2015年5月31日 (日)

はじめての”村図書館”

赤井の出張報告第4弾。

現在私たちは「学校図書室の地域への展開事業」として、学校から地域へ広がる図書活動を目指す新たな取り組みをしています。
(事業の取り組みについては、以下のニュースレターの記事もご参照ください)
 通信60号:http://deknoylao.org/part_5/document/NL60.pdf
 通信61号:http://deknoylao.org/part_5/document/NL61.pdf

さて、学校以外でも図書を読める場を広げようということで、今回はその第1号と2号の村図書室オープンにやってきました。
ひとつ目の場所は、ヴィエンチャン県サナカム郡ノンサワン村。
村の集会場・・・といっても屋根と柱と途中までの壁があるだけのミーティングスペースに、倉庫になっている小さな部屋が2つあるのみの建物。村との話し合いで、左側倉庫のひとつを図書室にすることになりました。
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開設式には、村人、郡の教育局長の他、小学生も参加してくれました。
式典中は皆静かで、ちょっとぼ~っとしながら聞いている感じだった村人も、終わってからの作業は賑やか。
男性陣は、本棚の組み立て、女性陣は、届いた本がリストと合っているかの確認作業を手伝ってくれました。
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午後は図書登録の研修です。
この村で管理を担当してくれるのは5名の住民。国立図書館スタッフの講義を、皆一生懸命に聞いているが、初めてきく内容になかなか難しそうな顔をしていました。
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それでも実習作業になると、覚えるのは早く、学校での研修よりスムーズに進むと、現地スタッフも驚いていました。

研修2日目。
図書室運営に関する話し合いをおこないました。週何日、何時に開けるかといったことを、図書室管理を担当する村人たち自身で話し合います。こちらからシステムを押し付けるのではなく、自分達で実施可能な形を考えるようにしてもらいます。
読みたい人がたくさんいるから毎日開く方がよいという人、田植えのシーズンは朝から晩まで畑に出かけてしまうので無理だという人。話し合いは白熱。
いろいろ話した末、この村では、月水金の朝7時~8時にオープンすることが決定しました。更に、仏教行事のあるワンシンの日は、仕事に出かけないので、長めに開くようにすると、皆で決めました。

完成した図書室
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515冊の本が設置されました。


翌日には、2村目のナパファー村でのオープン。
村の入口近くにある大きな木の下で開設式。そのすぐ横にある村の集会場が図書室になります。
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式典には小学生と中学生も招待。村の人もたくさん集まりました
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本の確認作業には、担当以外の村人達も参加。慣れてくると、だんだんと賑やかに。
あっという間に作業が終わりました。
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翌日。まだ研修をしている最中でしたが、早速本を借りに来た人がいました。
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研修では不安そうにしていた図書室担当の女性ですが、親子連れがきたら、しっかりと子ども向けの本のあるところへ案内していました。
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小さなスペースですが、村の人たちの多くが「村の図書館」と呼んでいました。
わが村の”図書館”だと、誇りに思っていてくれるようで、嬉しくなりました。

研修中、目の前の本を思わず読み始める人が多くいました。
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人と本が出会うこの瞬間を見るのが私は大好きです。
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本に興味を持つ住民の多さに正直ビックリしました。
当初は、こちらが期待するほど読まないのではないかという思いもあったのですが、農業の本、法律書、小説など、思い思いに本を開く姿がたくさん見られました。
村の人たちは、本を読まないのではなく、本を読める機会がなかっただけなのだ、と実感する光景でした。
図書=情報にアクセスする機会を提供することの重要性、この事業の意味と可能性の広がりを感じつつ、サナカム郡を後にしました。

【赤井朱子/東京事務所スタッフ】

2015年5月22日 (金)

市場で特設”本屋さん”

赤井の出張報告、第3弾。

サナカム郡での日程途中の日曜日。月に2回ほどしか開かれない地元の早朝市(場)があると聞き、特別にそこで本を売らせてもらうことになりました。
この地域には本屋というものがなく、今回の市場で本を販売すれば、地域住民が本を入手出来る貴重な機会となる!と、皆で張り切って出かけることにしました。

朝5時、まだ暗い中、宿を出発。30分ほど走り市場が開かれる場所に到着。ちょうど出店者がそれぞれの売り物を手際良く広げているところでした。
早速私達も、近くの家から机と椅子を借りてきて、持ってきた本を並べます。机だけではスペースが足りず、段ボールを切り開いて、そこにも本を並べました。
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[特設本屋さんの出来上がり~]

市場には、取れたての野菜から、お惣菜、パン、日曜雑貨など、いろいろなものが並んでいます。
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市場には徐々にお客さんが増えてきました。
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しかし、本に興味を持ってくれる人が全くいません。
「本はいかがですか~」と声をかけるものの、あまりにもお客さんの反応がないので、段々と声が小さくなり・・・・売り手のスタッフ達は、すっかり意気消沈。
前日までは、ハンドマイクを借りてきて「ヴィエンチャンから本屋さんがきたよ~」とか言って人を集めようか、などと言っていた威勢はどこかへ行ってしまったようです。

そのうちに、自分で本を読み始めてしまったり。。。(いや、実際に読んでいるところをみせて、興味をひきつけようという作戦か・・・)
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そんなところへ、おとなしそうな中学生の男子2名が、おそるおそる近づいてきました。1人が数学の教科書を買いたいとのこと。
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学年を聞くと、ちょうど持ってきている本の中にあり(良かった!)、購入してくれました。

初めてのお客さんに少し元気になり、呼び込みを再開してみると、買い物帰りに、少しずつ興味をもって近づいてくる人が出てきました。
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でも、首都のヴィエンチャンで、お祭りなどの際に出店すると、そこそこ販売できることが多くなってきたのに比べて、興味をもってくれる人が圧倒的に少ない状況です。
子どもが興味を持つけれど、親が興味を持たず、さっさと手を引っ張って行ってしまう姿も少なくありません。
「(教科書でもない)本を買うの?!」というような反応に、本が身近な存在ではないことを肌で感じました。

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[最初は塗り絵のセットだけ購入したお母さん。子どもが4歳だと聞き、いろいろ話しているうちに、こちらの本も1冊お買い上げ!(ありがとうございます)]

少しずつ、興味を持ったり、購入したりしてくれる人が増えたものの、この市場は日が高く昇りはじめる8時ぐらいになると終わりになります。
結局、約2時間の出店で10冊余りを売り上げました(教科書やぬりえ本を含む)。ガソリン代を考えると、効率が良くはありません。
それでも、何よりも印象的だったのは、最初は買ってもらえるとは思っていなかった男の子が、お母さんに民話絵本『カンパーピーノイ』を買ってもらった時の満面の笑。写真には撮れなかったけど、最高の笑顔でした。
彼の笑顔と、スキップをするように飛び跳ねながら本を抱えて帰る後ろ姿を見て、ここまで来て良かったと思うのでした。

(3日坊主にならないように、第4弾へ続く予定・・・。)
【赤井朱子/東京事務所スタッフ】

2015年5月19日 (火)

図書委員長におまかせ!!

東京スタッフ赤井の出張報告、第2弾です。
いろいろありつつ到着したヴィエンチャン県サナカム郡(5月10日のブログ参照)
お昼を食べて直ぐに向かったのは、ナーパーファー小学校。
昨年9月に図書室を開設し、今回はそのフォローアップ訪問です(※)。フォローアップでは、学校での活動状況を聞き取りした上で、図書室の状態を見たり実際の活動の様子を観察し、運営状況を把握します。

私が到着した時は、ちょうど子ども達が図書室に集まっていました。
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[折り紙に夢中な子ども達も]

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[文字がいっぱいだけど、読めるかな・・・]

入口近くの事務作業机のところに子ども達が集まっているので、近づいてみてみると、図書ボランティアの子ども達が、貸出作業の実習中でした。図書ボランティアは、日本でいうと図書委員会のようなもの。ラオスの学校では委員会活動といったことがないので、学年関係なくボランティアを募り、やる気のある子ども達に図書室運営のサポートをしてもらうように働きかけています。
このナーパーファー小学校では、2年生から5年生までの11人の子が図書ボランティアに立候補してくれたとのことです。
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[図書ボランティアの名前と写真が壁に貼ってあります]

本の貸出作業は難しくはないけど、スタンプを押したり、ボールペンで記入したりと、いくつかの作業をまとめてしなければなりません。
よく見てみると、オレンジ色の服を着た女の子が他の子たちに教えている様子。
「そこに貸出日のスタンプを押すの」「そっちは冊数を記入して」「返却日のスタンプは3か所押すのよ」、同時進行で別々の作業している2人の女の子に、見事にそれぞれに指導をしています。
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「そこじゃなくて、ここでしょ!」などと、なかなかの厳しい指導ですが、そのおかげか、他の子も徐々に作業を覚えているようです。
聞いてみると、オレンジ服の女の子は5年生で、図書ボランティアのリーダーだとのこと。いわば”図書委員長”ですね。

この学校は、現在、週3日しか図書室を開けていないとのことでしたが、図書ボランティアに手伝ってもらい、出来るだけ、学校のある日は毎日開けるようにしてくださいと学校に伝えました。
こんなにしっかりした図書委員長が居ればきっと大丈夫!

次回の訪問を楽しみにしつつ、学校を後にしました。(第3弾に続く)
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※JICA草の根技術協力事業「学校図書室の地域への展開事業」による訪問
【赤井朱子/東京事務所スタッフ】

2015年5月12日 (火)

学生ボランティア団体の皆さんが事務所を訪問!!

こんにちは。ラオス事務所の本多です。

 

チャンパサック県パクセ-のノンテノ村に学校建設を中心とした教育支援や道路整備を行っている関西の学生団体Infinite Connectionがラオス事務所を訪問してくださいました。昨年に引き続き今回は2度目の訪問です。ラオス事務所1階の図書館は21名の学生の皆さんでいっぱいになり、3時間以上熱気が溢れました。

Infinite Connection201310月に絵本プロジェクトを起ち上げて、今回、ラオス語の絵本をノンテノ村の学校に届け、本棚を作る予定だそうです。プロジェクトの最終目標は絵本の貸出制度の確立と、200冊から300冊ぐらいの本が収納できる小屋のような図書館を作ることを目指しているそうです。

 

まずは質疑応答から。

1番目はラオスのこどもが実施している絵本の貸出システムが、ノンテオ村に導入できるかどうか。皆さん真剣な眼差しで答えを待っています。

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もちろん導入可能ですと、ラオスのこどもが出版した「図書マニュアル」を紹介。

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導入の際の注意点についても「マニュアルを渡すだけではだめですよね。」と質問があります。その通りです。一度は一緒にやってみるといいですねと、

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貸し出しカードと袋を貼る作業
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貸出方法説明をしました。
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それから、本の修繕についての話に進むと、「やってみたい」との希望があり、ALCスタッフの指導で急遽ミニOJTとなりました。図書サービス担当の方が真剣に実践する中、他の学生さんも興味津々です。

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図書支援について村人にどう伝えていけばいいのか、支援の方法についても慎重です。でも、子どもたちにラオス語の紙芝居を読んであげたいなど活発な皆さん。元気な学生の皆様とお会いできて、私たちは嬉しかったです。

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学生団体Infinite Connectionの皆さん。またお待ちしています。

 

ラオス事務所では訪問受入を行っています。1階が図書館、2階が事務所で、図書館見学、子どもたちとの交流活動、ボランティア体験など可能です。ALCの事業紹介も致します。

 関心のある方、どうぞお問い合わせください。
・東京事務所 :deknoylao@nifty.com
・ラオス事務所:deknoylao-vte@mbr.nifty.com

 

 【ラオス事務所:本多敏子】

 

2015年5月10日 (日)

サナカムへの道

ラオス出張中の東京事務所の赤井です。
久しぶりに地方の学校を訪問することになったので、その様子をレポートします。

今回の行き先はヴィエンチャン県サナカム郡。
学校をまわるスタッフ達は既に出かけていて、私は3日遅れで、バスで彼らに合流することになりました。まずは、乗り合いバスに乗るため、郊外のバスターミナルまでいかなくてはなりません。バスを間違えるといけないのでスタッフのPさんに案内してもらうことになりましたが、バスターミナルに向かうための車(トゥクトゥク)がなかなかつかまりません。Pさんがやっとの思いで捕まえたトゥクトゥクは、先におばあさんを市場に送ってから来るとのことで、結局30分ほど待たされました。
バスの時間が心配になり、Pさんに聞くと、バスはたくさんあるから大丈夫、とのこと。で、ようやくきたトゥクトゥクに25分ほど乗ってバス停へ。
バス停に着くと、サナカムへは、同じ道を通るパクライやサイヤブリ行きのバスでも行けることから、結構本数があることがわかりました。
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所用時間は約3時間で、8万キープ。先ほど乗ったトゥクトゥクと同じ値段にビックリ。

9時半発のパクライ行きのバス(と言っても、15人乗りのミニバンのようなタイプ)に無事乗車。客は6人のみ。
しかし、出発したとたん、ドライバーが「荷物をひとつピックアップしてから行くよ」と言ったかと思うと、サナカムとは反対方向へ走り出しました。どうやら助手席に座っている夫婦の荷物と取りに行くらしい(助手席に陣取っているがどう見ても客である)。
結局25分ほど走り、何やら大型の機械を大騒ぎで乗せて、いざ出発。
「こういう場合、荷物を先にピックアップするか、自分達でバス停まで持ってくるのでは!!往復50分もバスに乗せられたままなんて・・・」と考えるのは私だけのようで、他の客は皆静かに乗っていました。

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その後、一路サナカムへ。近年道が整備されたとのことで、舗装された道を快適に進みます。20%程度が未整備とのことで、途中から未舗装のガタガタ道になりましたが、乾季で土が固くなっているのであまりひどい揺れにはなりません。
ちょうど3時間ぐらい経った頃、ドライバーが聞く「そこの中国の人(=私のこと。チケットを買うときは日本人って確認したんだど・・・)、どこで降りるんだ?」
私「サナカムだけど・・・」
ドライバー「****なのか++++なのか?」
ラオスのバスは降りたいところで止まってくれるので便利ですが、私のような土地勘のない人にそう聞かれても困ります。仕方なく、向こうで待っているスタッフBさんに電話をかけて、ドライバーと直接話してもらうことに。。。。
携帯電話のおかげで、私の降りる場所がはっきりし、その後30分ほど走ってバスを降りました。そこに、Bさんが車で迎えに来てくれで、何とか無事にサナカムへ到着!

実は、私がサナカムに来るのは2回目。1回目は19年前!思えば初めての出張でまわった先のひとつでした。
当時は道路が全く整備されておらず、船を使って来ました。スローボートで1日かけて移動。しかも途中でボートが故障し、修理に時間がかかり、サナカムに着いた頃は真っ暗で(電気もなかった)、どこに何があるのか全くわからないまま、宿泊場所といわれたところで寝て、明るくなって見たら、周りには本当に何もないところで驚きました。


当時に比べるととても楽な移動だったのは間違いないのですが、前回は一緒に移動する人が居た為か、時間の感覚がずれた為か、たった半日の移動がなぜか長く感じられました。
その後訪問した学校で、子ども達の楽しそうな顔を見て、移動の疲れは吹き飛びましたが・・・その話はまた次回に。
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【赤井朱子/東京事務所】

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