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2018年1月31日 (水)

先生方の努力に涙

サバイディー!  ラオス駐在スタッフの政岡です。
 
「学校図書室の地域への展開事業」が1月末に終了のため、11月末からヴィエンチャン事務所のスタッフは総出で全事業地を訪問して評価のためのデータ収集を行いました。私も現地スタッフと一緒に事業地を訪問してきて、うれしい変化がたくさん見られました。
今回の私の訪問先のひとつは首都ヴィエンチャンの中心部から車で片道5時間ほどの場所にあるヴィエンチャン県ムーン郡です。標高300メートルくらいのエリアです。東南アジアのラオスでもこの時期、標高の高いエリアは朝晩の冷え込みが厳しく、セーターやコートが必要です。
訪問したポンシヴィライ小学校は少数民族モン族の村にあり、児童は全員モン族の子どもたちです。モン族の母語はモン語でラオス語とは異なりますが、ラオスの学校では授業は原則ラオス語で行われています。
私は1年前にポンシヴィライ小学校を訪問していたので、今回の訪問では1年間でどのように変化しているかな?とドキドキしながらの訪問となりました。
1年前と今回の変化をぜひ皆さんもご覧ください。

図書室の外観
1年前
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今回
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カラフルになっています!先生方と児童のみんなで協力してペイントしたそうです。

図書室の内部
1年前
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今回
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図書室が使いやすくなるように先生方が考えて、レイアウトを変更したそうです。
1年前はこんな感じで本を読んでいる子が多かったです。
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指で文字をたどりながら読んでいます。ラオス語勉強中の私も同じように読んでいます。

それが今回の訪問ではこんな感じですらすらと読んでいる感じの子が多かったです。
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多くの子どもたちがおはなしを楽しんでいるように見えました。

実際にどれくらい本を読んでいるか?は尋ねてみると、よくわかります。
図書室担当の先生(写真左の男性)は「100冊以上読んでいますよ!」と力強く答えてくれました。読んだ本のタイトルを訊いてみると、次から次へとすらすらとタイトルを挙げてくださいました。インタビューをしていたALCスタッフもインタビューを側で聞いていた私も「この先生は本当に100冊以上、読んでいる!」とうれしい気持ちでいっぱいになりました。
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子どもへのインタビューでも、好きな本のタイトルが次々に出てきます。インタビューを受けているときにリラックスして堂々とインタビューを受けていました。
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1年前のインタビューでは子どもたちは緊張している子がほとんどでした。「好きな本はどの本?」と訊いてみてもタイトルを答えられない子ばかりで、「その本を持ってきてくれる?」とお願いして本を持ってきてもらいました。
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うれしい変化がたくさん見られた一方で、多民族・多言語国家ラオスの教育の難しさをあらためて感じる場面もありました。モン族の子どもたちは、母語のモン語とは異なるラオス語の教科書を使って、ラオス語で授業を受けるという厳しい状況で勉強しています。今回の子どもたちへのインタビューでは、小学校4年生の女の子で一人うまく質問に答えられない子がいました。
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インタビューに付き添ってくれた図書室担当の先生(写真左の女性)が「この子は(ラオス語で尋ねられた)質問の意味は理解しているけれど、うまくラオス語で答えられないの。ラオス語は読めて、一人でたくさんラオス語の絵本を読んでいるのよ。」と教えてくださいました。
このような厳しい現実にも直面しましたが、ポンシヴィライ小学校の図書室活動がこの1年ですばらしくよくなったことは、同行した県教育局と郡教育局のスタッフの方も絶賛していました。県教育局の方は「ヴィエンチャン県の事業対象校のうち小学校ではポンシヴィライ小学校がベスト!」とまでおっしゃったほどです。
図書室担当の先生にお話を伺うと、図書室運営をサポートする児童の図書ボランティアが小学校4年生と5年生の合計33名いて、5年生の卒業に備えてすでに3年生の児童を対象に図書ボランティア研修を始めているとのこと。私は、先生方が学校図書室を継続的に運営していく強い意志を感じました。
この1年間のポンシヴィライ小学校の素晴らしい変化とラオス語を母語としない子どもの置かれている厳しい状況の両方を目の当たりにして、私は胸がいっぱいになって、思わず涙がこぼれてしまいました。この1年間、ALCスタッフはいろいろと工夫しながら学校への働きかけを行ってきましたが、現場の先生方がやる気になって実際に行動を起こしてくれなければ、変化は起こりません。先生方が様々な努力を積み重ねてくださった結果が、学校図書室の活性化につながり、子どもの変化につながります。
これからも引き続き、現場で頑張る先生方へのご声援をよろしくお願いいたします。
 
【ヴィエンチャン事務所 政岡

※「学校図書室の地域への展開事業」はJICA草の根技術協力の一環として実施しています。

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