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2020年4月 9日 (木)

ALC奨学金選考のようす

ヴィエンチャン事務所の渡邉です。
今回は「ALC奨学金」の選考の様子についてご報告します。
※ALC(Action with Lao Childrenは「ラオスのこども」の英語表記です

「ALC奨学金」は、当団体の新規事業で、マンスリーサポーターの方々の寄付金を、就学継続が困難なラオスの子ども達に奨学金として支給する試みです。対象校は、現在、図書館支援を実施しているヴィエンチャン県ポンホーン郡ポンサイ中等学校の4年生~7年生です。

昨年11月末に、同校の先生に向けて奨学金説明会を開催し、奨学金の目的や応募方法について説明しました。4年生~7年生の各クラスから5人ずつ候補者を出してもらうことになりました。
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集まった応募者は64人。選考会議前日までに、ALCスタッフ一同で、応募のあった生徒の申請書類とクラス担任の先生からの情報シートを読み込み、家庭の困窮状況や、生徒の学習意欲や将来の夢、これまでのボランティア活動など、各項目にわたり審査をし、10人の候補者に絞りました。

そして、12月19日に実施された選考会議では、午前中にポンサイ中等学校の校長先生・副校長先生、父母会の会長とヴィエンチャン事務所長のスラピー、スタッフのバンロップと一緒に10人の候補者の応募書類の読み合わせをし、校長先生・副校長先生、父母会の会長から、それぞれの生徒の状況など情報を提供してもらいました。
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次に、候補者10人の生徒1人ずつと面接。面接した多くの子たちが、家計を支えるため、仕事をしていました。鉄道建設現場で夜警、食器洗い、水売り、民族衣装のシン(スカート)織り、などなど、中・高校生ながら、彼らがそれぞれの家庭で重要な労働力になっているのがうかがえます。
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片親・両親を亡くしていたり、離れて暮らしたりしている子たちも多くいました。そんななか、「卒業したら農業をやりたい」「英語の勉強を続けたい」「車やバイクの修理工になりたい」「お医者さんになりたい、お母さんも応援してくれています」「軍人か公務員になって家族を助けたい」・・・と将来の夢を語ってくれた子どもたち。
この奨学金が、彼らの将来の可能性を少しでも広げる糧になってくれたらと願います。

面接後、選考会議参加メンバーで話し合い、最終的に5人の奨学生-ビー君(4年)、ブンフォム君(5年)、ソンビィアンさん(6年)、スリントン君(7年)、ミトゥナーさん(7年)に決定しました。

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今回の選考会議で、大活躍だったのが、父母会のシーヌヴァン会長です(写真左、黄色のポロシャツの方)。面接をした生徒たちの家庭の事情を良く知っていて、私たちや校長・副校長に状況を説明してくれました。また、面接時に気になった生徒の家庭に支援が行き届いているかその子が住む村の名前を確認していたり、選考された奨学生の家庭に問題のある場合は、奨学金の管理を村の自治会や学校がするようにしてはどうかと提案してくれたりもしました。
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奨学金のプロジェクトでも、図書館の支援事業でも、「学校」と「地域」とをつないでくれるシーヌヴァン父母会長のような存在は非常に重要です。

次年度は、同じくヴィエンチャン県のサカ中等学校とヒンフープ中等学校でも、ALC奨学金をスタートさせる予定です。

【ヴィエンチャン事務所:渡邉】

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