2023年11月 7日 (火)

図書室ができるまでの道のり

ラオス事務所では、先週から今週にかけて、4か所の学校で図書室の整備の真っ最中。
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今回の学校へ行く道は、普段から凸凹なのですが、数日前に降った雨で、車が通れない状態に。
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急遽予定を変更して、地元に住む学校の先生に車を出してもらいましたが、その車も道のぬかるみにはまり動けなくなり、トラクターに牽引してもらってやっと脱出という状態でした。
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まだまだインフラが整っていない地域が多いラオスでは、図書室を開設するための本棚や本を届けるだけでも一苦労です。まさに、”長い道のり”を経て、本を届け、図書室の運営方法を伝え、ようやく子どもたちが図書を読む環境ができあがります。
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週末、滞在先のホテルで図書登録作業をして、翌日の準備をするスタッフ達。
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日本とラオスのたくさんの皆さんのサポートがあり、現場の頑張りがあり、図書室は出来上がっています。

※ラオス事務所スタッフからの報告をもとに記事を作成しました(赤井)

2023年9月23日 (土)

インターンラオス滞在記② ラオスのローカル道路交通事情

ラオス事務所でインターン中の矢野です。
今日は、ラオスのローカル道路交通事情についてご紹介します。

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(サークル交差点)

ラオスでの移動手段と言ったら、旅行者にとってはトゥクトゥクのイメージが強いかもしれませんが、地元民は主にバイクか車で移動します。ラオスは左ハンドル右側通行で、サークル交差点が点在します。

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(ラオスの道路は穴だらけ)

彼らは恐ろしいことに、ノーヘルメット、半袖半ズボン、つっかけサンダルでバイクを運転します。日焼けが嫌という理由で女性は運転前に長袖を羽織ることが多いですが、男性は肌を露出したままの人が多いです。ところが、空気が汚いのが気になるということで、マスクは着用する人が多いのが面白いですね。そのような状態のラオスではやはり交通事故が多く、どこまで本当かわかりませんがラオス人の死亡原因の一番なのではと言う人もいました。

ちなみに、ヘルメットをかぶらずに2人乗りをしたり、免許を持っていないときに警察に見つかると、さすがのラオスでも罰金を科せられます(「免許を持っていない」というのは日本人のような一時的な免許不携帯ではなく、そもそも取得していない人が多いです)。警察とのやり取りでもうまくやれば見逃してくれるとかどうとか、、、。ただ時間もお金もとられてしまうのが嫌なので、ラオス人はどの道に警察がいるかを熟知しており、危ういときは上手にその道を避けます。(ときどきヘルメットなしで二人乗りしている警察も見かけますよ)

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(タラートサオバスターミナル)

今回ラオスで初めてバスに乗りました。あまり本数は多くないのですが、うまく使えば格安で移動することができます。値段は路線により変わるのですが、例えばタラートサオからパトゥーサイまで6,000kipで行くことができました。

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(Lao-BusNavi)
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 (バスの時刻表)

そしてなんと、バスの現在地がこちらからリアルタイムで確認できます。ただし時刻表はラオス人もよくわかっていなかったのでバス停で確認してみてください。もしなかなかバスが来なくても、バス停で待っていれば循環している乗り合いトラックがきたりします。少し値段は上がりますが。

お隣のベトナムではヘルメット着用が徹底されていろいろなデザインのヘルメットが町中で売っていたり、タイでは鉄道網が発展していたりというのを見ると、今後ラオスの交通がどのように変化していくのか楽しみです。

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(トラックの荷台に乗る人たち)  

インターン矢野みなみ

2023年9月19日 (火)

インターンラオス滞在記① ALCのラオス事務所を紹介

こんにちはインターンの矢野です。

このたび東京事務所を飛び出し、9月の約1か月間ラオス事務所にお世話になります。
ラオス現地の様子についてみなさんにお届けできればと思います。
まずはALCのラオス事務所を紹介します。
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(ラオス事務所図書室)

事務所は住宅地の中、中学校のすぐ近くにあり、玄関は階段を上がった2階にあります。3階建てで、3階は事務所と書庫、2階は図書室になっており、昼休みや放課後に子どもたちがやってきます。図書室は冷房が効いているので、それを目当てにやってくる子もいるそうです。残念ながらコロナ以降学校が子どもたちを外に出さないようにしているので、今はごく少数の子しか利用していません。

図書室全体がかわいらしく飾りつけされており、大きめの児童館の図書室のような印象を受けました。靴を脱いで入るのと、床が木なのもあり、机も置いてありますが、本棚の前に座り込んで本を読みたくなります。

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(ラオス語の絵本コーナー)
入ってすぐ左手がラオス語の絵本コーナーです。ALCで出版したものも並んでいます。

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(翻訳絵本のコーナー)
右側には、ボランティアの皆さんが翻訳シールを貼ってくださった翻訳絵本の入った棚があります。この棚にはラオス語に翻訳されていない日本語の絵本も入っており、これは日本語の読める利用者のためだけではなく、絵本作家をめざす人の参考になればと資料という意味もあるそうです。
他には、ラオスの学校で使われている教科書、タイ語の本、英語やフランス語の本も置いてあります。

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(本のカテゴリー一覧)
本は言語とカテゴリーで色分けして収納されています。ありがたいことに蔵書はどんどん増えていて、管理の見直しも必要になってくるかもしれないほどだそうです。たしかに、あいている書架はもうほとんどありません。今後どのような本を増やし、そしてどのように管理収納していくのか考える必要があります。子どもたちがここでたくさんの素敵な本と出合えるといいですね。

ビエンチャンにいらした際はぜひALCラオス事務所にお立ち寄りいただき、みなさまからの支援がどのような形になっているのかをぜひお確かめください。

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営業時間:平日 9:00 - 17:00

【インターン矢野みなみ】

2022年2月25日 (金)

先生と生徒たちでつくる「まなびの場」学校図書室

現在、冬募金で呼びかけている図書室支援は、既にある図書室を学校での「まなび」により役立たせるステップアップのための「応用研修」です。
この新しい取り組みの実践第1号になったのが、ヴィエンチャン県の中等学校3校。
外務省日本NGO連携無償資金協力事業の一環で当会が実施した「図書館応用研修」で、図書館の展示やサイン、授業における図書活用についてみっちり実習しました。

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その後、各学校で「学校図書館オープンデー」を開催しました。
前日までに、図書館担当の先生とボランティアの生徒たちで、図書館の中や外回りのサイン(表示や案内)の改善をしたり、色々なテーマで本を紹介する図書館展示を作ったりと大忙し。

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そして迎えた当日。午前中は、地域の住民、各学年の生徒が図書館を訪れ、担当の先生たちは、図書館の利用や図書の分類、展示の説明など、熱心に説明・解説していました。苦労して準備した展示やサインを村の人たちやお友達にも見てもらえて、サポートするボランティアの生徒たちも嬉しそう。

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午後からは、先生の部。応用研修に参加した先生が作成した「図書を活用した授業計画」を他の先生に向けてプレゼンしました。数学の相似の授業で、折り紙や服飾のハンドブック、昆虫図鑑を使用するなど、ユニークな活用法を披露する先生も。研修に参加した先生が、していない先生に計画書の書き方を教えてあげる一幕もありました。
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図書館オープンデーは、先生、生徒、地域の人たちにより図書館のことを知ってもらえるだけでなく、先生や生徒がそれまでの「応用研修」で学んだことを活かし実践する絶好の機会にもなった様子。
どんなテーマの展示にしようか?どんな本をどんなふうに展示しようか?と頭をひねり試行錯誤する姿や、色々な教科の先生たちが、図書館の本を工夫して授業で取り入れようとする光景からは、「自分たちの図書館をもっと活用したい、学校でのまなびをもっともっと良くしていきたい」という意気込みが伝わり、先生や生徒たちにとって、だんだんと図書館が「自分たちのもの」になるのが感じられました。

こんなふうに、「応用研修」は、先生や生徒が自分たちの図書室を自分たちでより良いまなびの場に変えていくきっかけを生み出します。
冬募金「図書室応用研修」へのチャレンジと継続に、どうぞご支援をお願いします!
冬募金のご支援はコチラ

 

 

2022年1月 7日 (金)

2022年ラオスのこども 引き続きどうぞよろしくお願い致します

遅くなりましたが、、、
サバイディピーマイ(新年明けましておめでとうございます)
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<朝日ではなく、夕日ですが・・・手前はメコン川です>

ラオスのお正月は4月ですが、近年は「インターナショナル ニューイヤー」としてラオスでも新年のお祝いをすることが増えました。
コロナ禍の前、ヴィエンチャンで年越しをした際には、あちらこちらでカウントダウンパーティをしていたり、午前0時に花火があがったりと、とても賑やかでした。
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<カウントダウンパーティの準備中>


ラオスでのコロナ感染状況は、残念ながらなかなか改善されていません。
ただ経済状況を維持するために、徐々に都市間の移動制限などが解除されてきています。
また、学校についても、9月の新学期から閉鎖したままだったのですが、最近になり、地域や学校毎に様子をみながら、対面授業が開始されつつあります。
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<2021年の新規感染者数の推移>

ラオス事務所は、今年も1月3日から稼働しています。
今週は、ヴィエンチャン県にて、延期していた「図書館応用研修」*を実施しました。

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<日本の専門家はオンラインで参加しました>


「図書や図書館を授業で活用する」という取り組みは、受講するラオスの一般の先生達にとっては初めてのこと。
最初は難しい表情をしていましたが、グループ実習を終えると「今度授業で実践してみたい!」という力強い声も聞かれました。
参加者の意欲や熱意が感じられたことが嬉しく、今後の実践に繫がって欲しいと願っています。
ラオスの皆様も日本の皆様も、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

*「図書館応用研修」の内容についてはコチラを参照

【東京事務所:赤井】

2021年5月14日 (金)

“コロナウィルス、ラオスの状況” その⑥

サバイディー。ラオス事務所の渡邉です。

ラオスでは、コロナ感染者の増加を受け、政府やNGOが作った啓発用のポスターや動画なども増えてきましたので、ここで少し紹介を。
こちらは、ラオス語で紹介されたコロナ感染予防のビデオです。

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同じ内容で、ラオス語だけでなく他の民族の言語バージョンも作成されていました。
(それぞれの名をクリックすると動画がみられます)
モン語
アカ語
クム語
タリアン語
タオイ語

これを見ると、いかにラオスの人達がいろんな民族で構成されていて、いろんな言葉を喋っているのかが分かります。
ちなみに私は、ラオス語バーションは言っていることがだいたい分かりますが、他言語になると全然分かりません。
当会のプロジェクトで、モン族やクム族の学校の先生や生徒たちと接することが結構あるのですが、普段彼らはスタッフ達にはラオス語で話してくれるので、そんなに詳しくじっくりと彼ら自身の言語を聴く機会がありませんでした。モン語クム語は何となくその言語を喋っているんだろうな・・・ということは想像がついても、タリアン語やタオイ語(ラオス南部に暮らしています)になると、あ~こんな響きの言語なんだなぁと、今回初めて知りました。
少数民族の子どもたちは、学校の就学率が低く、ドロップアウトしてしまう子も多くいる現状がありますが、教育やコロナのことも含めて様々な情報を、自分たちのネイティブ言語で受け取ることが出来ないというのは、やはりハンデがあるよなぁと感じました。

それからもうひとつは、ラオス語版コロナソングです。
英語で題して、”After Dark, Sky turns blue” 。
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こちらもコロナの感染予防ソングなのですが、ラオスでは色々啓発をする際に、歌にして覚えてもらう方法を取ることが結構あります。
現在当会が取り組んでいる、「村教育委員会(VEDC)」についても、実は教育省が作ったVEDCハンドブックの最後のページに「VEDCの歌」が掲載されています。(あまり、普及しているようには思えませんが・・・)

さて、当会のラオス事務所では、都内で数十人単位で感染者が増え続けていた4月26日~5月7日の間は事務所を閉めて、スタッフには溜まっていた休暇を取ってもらいました。この間にワクチン接種をしたスタッフもいます。
そして5月10日からは出勤を再開しましたが、スタッフには毎朝出勤前に検温してもらい体調に問題ない場合のみ出勤とし、仕事をする時は各自離れて距離をとって作業するようにしています。
(現在ヴィエンチャンでは、大人数の場合は、出勤の人数制限があります)

現在ラオス全土でロックダウンになっているため、他県に移動することが出来ません。ラオス事務所では、5月はアッタプー県やヴィエンチャン県への出張を予定していましたが、それも延期せざるを得ない状況です。
活動をしていて、現地に直接行くことが出来ないというのは、とっても歯痒い想いです。
早く、ラオス国内でのコロナの状況が落ち着いて、以前のように出張が出来る日が早く来ることを願っています。

【ラオス事務所:渡邉】

2021年5月13日 (木)

”コロナウイルス、ラオスの状況” その⑤

サバイディー。ラオス事務所の渡邉です。
久しぶりのコロナ関連通信となります。
ラオスでは、今年の4月半ばまで政府の対策が効果を上げており、感染者は累計で40数名程度にとどまっていたのが、5月11日現在では1,362人と急激な勢いで増加しています。5月9日には、とうとう初めての死者が出ました。
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日本の状況と比べると、数の上ではラオスの方がかなり少ないように感じますが、日本の様に医療体制が整っていないラオスでは、感染拡大は脅威です。

4月21日、ラオス事務所スタッフ一行は、ヴィエンチャン県ポンホーン郡サカ中等学校に、図書館応用研修に来ていました。2日間のサカ中等学校での研修をしている間に、ヴィエンチャン都内でコロナの感染者が増えてきたこと、ヴィエンチャン県内にも陽性者が出たことなどがニュースで流れてきました。
翌22、23日はヒンフープ郡、ヒンフープ中等学校での研修を控えているなか、実施は大丈夫だろうか・・・と県・郡教育局にも確認を入れたりしていました。
そして夕方になり、政府の記者会見があり翌日朝6時から5月5日までヴィエンチャン都内のロックダウンが発表されました。
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ロックダウンを発表する政府の記者会見(4月21日)

残念ながらヒンフープ中等学校での研修を断念し、、スタッフ達はあわてて宿の荷物をまとめて、ヴィエンチャン都内に戻ってきました。

はじめは、ヴィエンチャン都内に限定されていたロックダウンも、数日のうちにラオス全県で実施されました。学校も一時閉鎖となりました。
さらにロックダウンは、5月20日までに延長されました。

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各県に設置されたコロナ特設ホットライン一覧

実は、ほんの数か月前までラオスでは、大きな会議などたくさん人が集まる時などを除いては、マスクを付けずにいることも普通でした。昨年4月のロックダウン以降、目立った感染者の増加もなく、他の国では、コロナで大変なことになっているね~とちょっとどこか他人事だったぐらいです。

それがラオス正月(ピーマイ)を前に、ぽつぽつと感染者が増え、ピーマイ直前には、ヴィエンチャン都から国に都内のロックダウン要請が出たのですが、結局ロックダウンは発令されませんでした。

それでも、今年のラオス正月は路上での水かけなど大々的に騒ぐのは禁止されていたこともあり、昨年のロックダウン中のお正月に比べれば、各家庭で宴会をやっている音がちらほらと聞こえてきたものの、例年にくらべれば、だいぶおとなしいお正月でした。

しかし、ピーマイが明けて、ヴィエンチャン都及び、他県でも感染者が増えはじめました。去年の感染者が出た時の状況と、どうも今回は様子が違うと、かなり深刻な状況になっていると、みんな感じ始めました。
ラオスでは感染者が出ると、番号で表示され、どこの村に住む何歳の男性/女性で、国籍や職業などの個人情報、立ち寄った場所など行動歴がすべて政府によって公表されます。
今回、ここまで感染者数が急激に増えたのは、ラオス正月の期間にたくさんの接触があったことに原因にあるのですが、その感染経路も手に取るように分かってしまうぐらい詳細な情報が公開されており、あ~こうやってウィルスは人から人へと移っていくんだなぁ…と、感染の威力を見せつけられた思いがしました。

今、ラオスでは連日、感染者を知らせる表示がSNS上に挙がっています。赤と黒で表示された感染状況は、事態の深刻さを感じさせます。
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コロナ感染者の表示
(左:本日の感染者合計/県ごと、右上:感染者累計、右下:死者数)

【ラオス事務所:渡邉】

 

2021年4月 1日 (木)

ラオスと日本、イベント準備進行中

サバイディー(こんにちは)
お久しぶりです。
東京事務所の赤井です。

4月、ヴィエンチャンと東京では、それぞれイベントを実施します。
今は、準備の真っ最中。
どちらのイベントも、どうぞよろしく。

ヴィエンチャンでのイベントはこちら↓
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子どもと女性の未来のために
~チャンタソン旭日双光章・JICA理事長賞受章記念イベント~
主 催: チャンタソン インタヴォン
後 援: 在ラオス日本国大使館、JICAラオス事務所
日 時: 2021年4月2日(金)セレモニー開催、3日(土)自由見学10:00~16:00
場 所: Houey Hong Vocational Training Centre
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ラオスのこども(ALC)では、活動展示、出版本の販売、紙芝居の実演などをする予定です。
作家育成ワークショップなどを通じて作成したラオス語絵本ご覧いただき、この機会に当会の図書館支援活動や出版事業についても、ぜひ知っていただけたらと思います。
ホアイホンセンターでもテキスタイルの展示販売や染色体験などを行っております。こちらも、併せてぜひ会場にお立ち寄りください。
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展示用のパネルも準備できました。
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そして、東京では4月24日(土)に、ピーマイパーティを開催します。
オンラインを使った企画など、新たな取り組みをおこなう予定です。
詳しくはコチラの案内をご覧下さい。

毎年好評のラオス料理は、持ち帰りが出来る形にします。
例年よりもメニューが限定されますが、料理ボランティアの皆さんと共に準備をすすめています。
↓以下は2019年のメニューの例です。
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世の中の状況を見ながら、出来ることにチャレンジしてまいります。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。
【東京事務所:赤井】

2021年1月20日 (水)

“ポンサイ中等学校 図書館応用研修”     その③ 応用研修の準備とふりかえり

ポンサイ中等学校で開催した図書館応用研修。そこで、実施した①授業における図書活用、②図書館サイン・図書館展示、に関する研修はラオス事務所スタッフにとっても新しい取り組みでした。

これまで、図書館の基本的な業務や、読書に親しむための本を使ったアクティビティに関しては、ラオス全土で当会が支援している学校図書室の開設やフォローアップで実施し、初めて本や図書館に触れるラオスの子どもたちに、読書に親しむ機会を提供してきました。
しかし、中等学校を対象とした場合、もう一歩進んだ図書館づくりが必要になります。そのために当会はどんなことをやっていけばよいか?図書館学専門家の下田先生と話し合いをするなかでみえてきたのが、①授業における図書活用と、②図書館サイン・図書館展示、を応用研修として実施することでした。

対象中等学校にこれらの研修を提供するためには、まず当会のラオス事務所スタッフたちに、この2つを理解し習得してもらうことが必要になります。
そこで、1年ちょっと前から準備を始めました。

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2019年10月に下田先生にラオスにお越しいただき、スタッフ向けの実務研修を実施。図書の分類と配架、図書館展示について学びました。

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2020年2月には、再び先生にお越しいただき、前回の実習の改善と、授業における図書活用に関するスタッフ研修を行いました。

その後、新型コロナウィルスが世界的に蔓延し、海外への渡航が厳しい状態に。2020年度に予定していた応用研修で、下田先生に現地の学校でレクチャーしてもらうことが難しくなりました。
なんとか良い打開策はないかということで、応用研修はオンライン併用にすることにしました。ただし、先生が現地に来られない分、当初よりも更にラオス事務所スタッフに動いてもらうことが多くなります。そのため、事前のスタッフ研修をより綿密に実施し、理解を深めることにしました。

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まず、2020年10月に図書館サインと図書館展示のスタッフ研修を実施。2019年の実務研修のおさらいをするとともに、図書館サイン・展示について、種類や内容、その効果、実践するに際してのポイントなどを学びました。
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実習として、図書館サインは事務所併設図書館のサインリニューアル計画を作成しました。図書館展示は、テーマを設定して実際に展示を作ってみました。
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男性スタッフチームの展示。教科書コーナーの傍に、中等学校の「技術」で学習する米作りの単元に関連した展示をしました。稲作方法に関する本、お米料理の本、民族ごとの米文化の本と、3つのテーマで展示を構成しています。
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女性スタッフチームの展示。「!メニュー、カイ(卵)、カイ(卵)、カイ(卵)!」というキャッチ―なタイトルで、卵料理に関する展示をしました。全部で、6種類の卵料理を本で紹介し、いいな!と思うメニューに投票してもらうようになっています。

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2019年の実務研修時に比べて、スタッフの展示構成・展示方法をみると、腕を上げているように感じました。

そして、11月は週2回のペースで、下田先生のオンラインレクチャーを交えながら、授業における図書活用についてみっちり研修しました。
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実際の応用研修で紹介した「図書→教科のアイディアシート」や「授業における図書活用のアイディアシート」も、このスタッフ研修でスタッフに作成してもらいました。

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授業における図書活用については、11月末、ポンサイ中等学校での研修の前に図書館担当の先生たちに「ヒアリング」を行い、普段の授業(教科指導)の状況や、授業での図書活用案を提案した際の反応などを確認し、応用研修に備えました。
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12月に入ってスタッフたちは、レクチャー資料のラオス語チェックをしたり、研修スケジュールや役割分担を決めたり、研修で提示するアイディアシートを完成させたり、実習で自分が担当になったチームの教科の学習課程を調べたりなど、研修直前まで急ピッチで準備を重ねました。

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迎えた当日、下田先生のこれまでの丁寧なご指導、優秀なラオス語・日本語通訳、スタッフの頑張りのおかげで、参加した先生たちは好反応でした。アンケートでは、研修について、全員の先生が「興味を持った」と回答し、授業での図書活用、図書館サイン・展示ともに、「実際にやってみたい」と答えてくれました。

研修後のミーティングで、スタッフからは、「先生たちが積極的に参加してくれて、興味を持ってくれてよかった」という安堵の声とともに、「自分たちもアイディアシートの書き方をもっと勉強する必要がある」という意見も出ました。
2021年度は事業の3年目、最終年次にあたり、ポンサイ中に引き続きサカ中・ヒンフープ中で応用研修を実施し、その成果発表の場として、各校地域住民対象の学校図書館オープンデーや3校合同の学校図書館研究大会(図書館サイン・展示コンテスト、授業における図書活用事例発表会)を開催する予定です。
今回の応用研修を通じて、ひとまわり成長したラオス事務所スタッフたち。今後は、実践を重ねていくなかでさらに成長し、学校図書館や先生や生徒たちの図書館活動をより深くサポートしていけるようにしていきたいです。 
【ラオス事務所:渡邉】

2021年1月16日 (土)

“ポンサイ中等学校 図書館応用研修”     その② 図書館サイン・図書館展示

ポンサイ中等学校図書館応用研修、その①授業での図書活用 につづき、その②図書館サイン・図書館展示 のご報告です。

3日間の応用研修の中(なか)日は、「図書館サイン・図書館展示」の研修を実施しました。図書館担当の先生5人と図書館ボランティアの生徒たちが参加してくれました。

午前中は「図書館サイン」について。サインとは案内や表示のことです。
レクチャーで、施設案内や利用案内、情報提供など図書館サインの種類や事例、サインを作る上での留意点などを紹介しました。
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レクチャーのあとは実習。2チームに分かれてポンサイ中等学校図書館のサイン計画を作成してもらいました。図書館の見取り図を用意し、どの場所にどんなサインを設置したらよいか、書き込んでいってもらいました。
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図書館中央の柱に歓迎の表示をつける、本棚に既にある図書分類の表示に分かりやすくするために更に色を使ったインデックスをつけるなど、各チームでたくさんのアイディアが出てきました。
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午後からは「図書館展示」について。レクチャーでは、新着図書紹介や教科学習、学校活動に関連させた展示、季節やその他のテーマに絡めた展示など図書館展示の種類や事例、展示を作る上での、重要なポイントや効果的なテクニックなどを紹介しました。
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その後の実習では、「教科学習に関連した展示」、「テーマを設定した展示」の2チームに分かれ、実際に展示を作ってもらいました。
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「教科学習に関連した展示」では、「地理」に関連して宇宙の天体に関する図書を集めた展示を披露してくれました。展示の空間づくりに天体がイメージできる地球儀を小道具に使ったり、POPを星形にしたり、ナイスアイディアです!
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「テーマを設定した展示」では、「ミラクルの物語」をテーマに物語や伝承の絵本を取り上げていました。昔話や創作物語などアレもコレも沢山の本を紹介したい!という想いがつまった展示になっています。
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想像以上に先生や生徒たちが楽しんでサイン計画・展示づくりに取り組んでくれました。こうやって、図書館を担当する先生や生徒たち自身で楽しみながら、工夫しながら図書館サインや展示を実践することが、利用者が快適に図書館を利用でき、新たな本との出会いも生まれ、来館者が増え、図書館が活性化することに繋がります。それはきっと、図書館担当の先生・生徒たちがさらに向上するモチベーションにもなるはず。そんな、持続可能なグッド・サイクルができるよう、スタッフのチャレンジも続きます。  
【ラオス事務所:渡邉】

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